Kindle端末はいらない?スマホやタブレットと使い勝手を比較

読書しかできないのに高額なKindle端末。本当に必要なのか、なぜ人気なのか、スマホやタブレットと読書体験がどう違うのかを、電子書籍歴10年以上の筆者が解説します。

Kindle端末、スマホ、タブレットの読書体験の比較

まず最初に、Kindle端末、スマホ、タブレットの読書体験の比較してみましょう。ここから、Kindle端末の特徴が見えてきます。

特徴Kindle端末スマホタブレット
ディスプレイ電子ペーパー技術で目に優しい
(ブルーライトは微量)
液晶ディスプレイ
(ブルーライトあり)
液晶ディスプレイ
(ブルーライトあり)
バッテリー持ち数週間1日程度
(他のアプリ使用時は短くなる)
1〜2日程度
(他のアプリ使用時は短くなる)
読書専用はいいいえ
(マルチタスク可能)
いいえ
(マルチタスク可能)
重量・携帯性軽量
(150~200g程度)
非常に軽量
(100~200g程度)
やや重い
(300~600g程度)
視覚疲労少ないブルーライトで疲れやすいブルーライトで疲れやすい
価格初期費用が高い
(¥8,000〜¥40,000)
既に所持している場合は追加費用なし既に所持している場合は追加費用なし
書籍の管理KindleライブラリKindleアプリや他のアプリKindleアプリや他のアプリ
他の用途読書専用電話、メッセージ、アプリなど多数アプリ、動画鑑賞、ウェブ閲覧など多数
防水機能一部モデルにありなし一部モデルにあり
ストレージ容量一般的に8GB〜32GB16GB〜512GB以上
一部はmicro SDで拡張可能
16GB〜1TB以上
一部はmicro SDで拡張可能

Kindle端末を使うメリット

比較するとわかりますが、Kindle端末のメリットは、

  1. 読みやすく疲れにくい画面
  2. バッテリーが持つ
  3. 大きめの画面でも軽い

という点です。

リストアップすると「これしかないのか」と思いがちですが、実際にKindle端末を使ってみると「この3点こそ、Kindleを使うべき理由」でもあります。

読書をしている時はずっと端末を持っている状態になるので軽さは正義です。また、「読みたいときに、読める」という意味ではバッテリーの持ちも重要です。

また、実際にKindle端末を使っていると実感するのが「E-Inkディスプレイの見やすさ」です。スマホやタブレットの画面はバックライトで画面の後ろから光を当てていますが、Kindle端末はフロントライトでE-Ink画面を前から照らしているため、目の疲れが違います。

筆者は、スマホ、iPad、Kindle、Koboと使ってきましたが、最終的に落ち着いたのがKindle端末でした。雑誌などは今でもiPadを使いますが、書籍系の読書端末はKindle(Kindle Oasis)です。

スマホやタブレットで読書をするメリット

一方で、読書という点にフォーカスして、スマホやタブレットを使うメリットは、

  1. 普段使いの端末を使うことができる
  2. ストレージを拡張できる

という点でしょう。

特に大きいのがストレージ拡張。Androidスマホやタブレットでは、micro SDでストレージを拡張できるため、低コストで512GB程度のストレージを端末に追加できます。512GBもあれば、コミック本を1000冊単位で保存できるので、手持ちの電子書籍データをまるまる

一方で、Kindle端末は8GB程度、最大でも64GBまでしかストレージ容量がなく、しかもmicro SDで拡張できません。

ただし、Kindlenの場合、Amazonのクラウドサーバーに電子書籍データがあるため、そこから都度ダウンロードをすればストレージ容量不足はある程度解決できます。

自炊の電子書籍でもSend to Kindle機能を使ってパーソナル・ドキュメントとして保存しておけば、ワイヤレスで好きな時にKindleで読書が可能です。

Kindle端末がいらないケース

ここまでKindle端末の読書体験としてのメリットを解説してきましたが、一方で、Kindle端末が不要なケースもあります。

それは、

  1. 読書は漫画アプリがメイン
  2. 通勤・通学の電車やバスで読むことが多い
  3. 読書時間が長くない・頻度が少ない

という3つのうちどれかに当てはまるケースです。

Kindleはアプリのインストールができないため、漫画アプリはインストールできません。そのため、漫画アプリをメインで読書を楽しんでいる方には不向きです。

また、通勤・通学の時間で読書を楽しんでいる方はスマホがベスト。Kindleがいかに軽くても、満員電車で読めるとなると、スマホほどの手軽さはありません。バッグにしまう手間なども考えたらKindle端末は手軽ではないでしょう。

最後に読書時間が長くない・頻度が少ないケース。この場合は、追加費用をかけるよりも、今ある端末を活用して書籍自体にお金をかけた方がコスパが高いでしょう。