電子書籍の「広告あり」ってどんな仕組み?

電子書籍業界で広がってきているのが「広告あり」の電子書籍。電子書籍の広告とは何か、どんなメリットがあるのかをまとめました。

電子書籍の「広告」は二種類ある

書籍自体に広告が挿入されるタイプ

漫画アプリや無料Web漫画などでメジャーなのが、漫画の最初や最後に広告が表示されるタイプ。最近はAmazonのKindle書籍でも登場したことでニュースになりました。

このタイプは、1話ごとに広告ページが表示されるため、基本的には一定のタイミングで広告が出てきます。漫画の世界ではありませんでしたが、雑誌では広告ページがあることが当然になっていたので、それが電子化したということでしょう。

仕組みとしては、電子書籍プラットフォームが広告を出すことで広告収益を得て、その収益を想定して一定の話数、巻数だけで無料で配信するという仕組み。逆に言えば、漫画などの電子書籍が無料で楽しめるのは、この広告モデルによって成り立っているとも言えます。

広告ページが出てくる以上、必ず広告を見ることになりますが、その分が無料で楽しめる漫画などの電子書籍に還元されているというわけです。

電子書籍リーダーに広告が表示されるタイプ

Amazon Kindle電子書籍リーダーが採用している方式で、スリープ状態から復帰する際に、Amazonが選定した広告が画面に表示されるタイプです。Amazon Kindleの広告ありモデルは、広告なしモデルと比較して15%ほど本体価格が安くなっているため、「本体価格を安くするから広告を見てね」という仕組みです。

先程の書籍自体に広告が挿入されるタイプと違って、電子書籍リーダーをスリープから復帰された時にのみ表示されるので、読書の邪魔にならないというのがメリット。

ただ、頻繁にスリープをする人からすると、スリープからの復帰時に「広告を閉じる」というワンクッションが入るは意外と煩雑で、Amazon Kindleを買うなら必ず広告なしモデルにするという人もいます。

この辺りは、価格を取るか、利便性を取るかで選ぶのが良いでしょう。

読者側のメリットも多い電子書籍の広告モデル

ここ数年の漫画アプリの盛り上がりなどで、徐々に電子書籍を紙の本と同じように売るのではなく、分冊化したり、「一定の巻数まで無料」などのキャンペーンを行ったりと、売り方に変化が出てきています。

広告についても同じで、よりいろんな電子書籍が無料で読めるという意味では、読者側にもメリットもある仕組みと言えます。